作成者別アーカイブ: boccwebagency09

高齢者住宅経営における補助金の利用

高齢者住宅経営への追い風は融資面だけではありません。「サービス付き高齢者向け住宅」の整備は国、地方自治体がともに推進すべき重要施策としていることから、補助金の利用も見込めるのです。

国は高齢者等居住安定化推進事業として平成23年度に325億円の予算を充てており、「国土交通省・厚生労働省が連携して行う高齢者住まい法改正により位置付けられる『サービス付き高齢者向け住宅』の建設・改修費に対して、国が民間事業者・医療法人・社会福祉法人・NPO等に直接補助を行う」としています。

これまでの介護保険施設の建設は地方自治体、公益法人にしか認められていませんでしたが、これからは民間事業者も参入、補助を受けて建設できるようになったのです。(住まい、ソフトとしての介護サービスを両輪とした制度ですから、当然、その補助金は住宅、高齢者生活支援施設の建設費双方に及びます。また、新築だけでなく、既存の住宅を改修する場合にも適用されますから、収益の上がらない不動産物件を改修して新制度に即した施設に造り直すことも考えられます。また、「サービス付き高齢者向け住宅」の買い取りにも適用されます。

具体的な補助率は193ページの通り。法に定められた基準を満たし登録された「サービス付き高齢者向け住宅」を造る場合、新築物件については圭尸当たり100万円を上限に建設費の10分のIを、改修時はI戸当たりの上限は同じで、3分の1までを補助してくれます。

また、住宅と併設するデイサービス等の生活支援施設に対しては、―施設当たり1000万円を上限に建設費の10分の1(改修の場合は3分のI)が補助されます。

規模や立地などにもよりますが、10分のIまで補助があり、前述のように低利の融資が使えるわけですから、同じ不動産投資といっても従来のアパート経営より、はるかに安全な資金計画ができます。

今後の「サービス付き高齢者向け住宅」

日銀の意向を受け、各金融機関は投融資を加速していますから、今後の「サービス付き高齢者向け住宅」建設には力強い追い風があるといえます。

融資ではもうひとつ、住宅金融支援機構の事業者向け融資についても触れておきましょう。平成2212月に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」において、金融機関については民間での実施や他の手段で代替できるなど、政策的意義が低下している金融関係事業は廃止とされましたが、逆に政策的意義が高く引き続き独立行政法人で実施すべきと考えられるものについては、リスク審査を強化するなどして、財務内容の健全化を進めるとされました。つまり、民間が代替できる事業は撤廃し、政策的に必要なものは残すということです。

では政策的に必要な融資とは何か。同方針では「高齢者向け住宅(医療や介護と連携した『高齢者支援サービス付き住宅(仮称)』)について、他省庁もらえる状況となっています。

今後、多少変化はあるにしても、「サービス付き高齢者向け住宅」を建てる事業者に有利な状況は変わらないはずです。融資面で見ると民間金融機関、住宅金融支援機構のいずれもが建設を後押しする状況にあり、非常に有利な状況だということがいえます。

日銀主導の成長融資制度が利用できる|サービス付き高齢者向け住宅

平成23年4月に改正高齢者住まい法が公布され、既存の高齢者向け住宅である、高円賃、高専賃、高優賃(地域優良賃貸住宅高齢者型)が、「サービス付き高齢者向け住宅」として一本化されたのです。

この改正法の施行により、一般の方たちに「サービス付き高齢者向け住宅」の運営のチャンスが広がり、今まで医療法人、社会福祉法人などの公益法人や一部の民間企業が独占していた高齢者向け賃貸住宅事業に参入しやすくなりました。

超高齢社会に突入しているにもかかわらず、高齢者に対応できる住宅整備は全く追い付いていません。通常の賃貸物件では、空室率や家賃の未納問題などが山積ですが、高齢者向け賃貸住宅の需要は高く、安定した収益が望めます。

しかも、特定事業者だけの特権であった、補助金、税の軽減などを受けられるというメリットもあります。

では、「サービス付き高齢者向け住宅」経営の優位性について様々な視点で見ていきましょう。

不動産投資をする場合は、金融機関からの融資が大きなポイントになります。金融商品への投資では、その資金として融資は利用できませんが、不動産投資であれば可能です。ですから、少ない自己資金でも大きな投資が実現できます。投資の専門用語ではレバレッジを利かせるという言い方をしますが、どれだけ有利に多額な資金を融資してもらえるかで、資金計画の安全性、収益性が左右されるのです。

そこでもやはり、これからの「サービス付き高齢者向け住宅」建設は有利です。日銀も国土交通省、厚生労働省同様に、民に任せた需要創出、財政再建を推し進めようとしているからです。

サービス付き高齢者向け住宅の経緯

2013年2月和歌山県にオレンジコープがサービス付き高齢者向け住宅「おひさま」を建設(入居受付中)。全国に広がる1人暮らしの高齢者などが安心して住める介護付き住宅であるところのサービス付き高齢者向け住宅が法整備されるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?

まず、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)は、高齢者の居住に適する構造、設備を備え、緊急時に対応したサービスを提供する住宅として都道府県知事の認定を受けた賃貸住宅のこと。規模、バリアフリー化、緊急時サービスなどの基準を満たして認定されると、その整備に要する費用の一部について国および地方公共団体の補助を受けることができるほか、家賃の減額に要する費用の助成、税制上の優遇措置、融資に際しての優遇などがある。

そして、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)は、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅尨咼円賃)として登録されたもののうち、専ら高齢者を賃借人とする賃貸住宅として登録されたものをいう。 高専賃の登録に当たっては、介助を考慮した住宅の構造や設備であることなど、高齢者円滑入居賃貸住宅として登録するための一定の要件を備えていることに加えて、前払家賃の取扱い、各住戸における台所、水洗便所、浴室等の有無、日常生活に係るサービスの有無などを登録しなければならない。なお、高専賃として登録された賃貸住宅のうちで、各戸の床面槓が25㎡以上、原則として各戸に台所、水洗便所、浴室等があるなどの一定の要件を満たすものは適合高齢者専用賃貸住宅(適合高専賃)と呼ばれ、都道府県知事に届け出ているものは介護保険法で規定する特定施設となることができる。

これらが、201110月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、これら3つの住宅は「サービス付き高齢者向け住宅」 (サ付住宅)に一本化された。

繰り返しとなるが、終の住まいとして和歌山市では生協がサービス付き高齢者向け住宅「おひさま」を建設している。

ホームページはこちら
http://orangecoop.jp/minori/koureisyajyutakuohisama.html

高齢者マンションに手すりをつける

巾手すり・手つかみ・手支え

高齢者マンションでも手すりは歩く、しゃがむ、立ちあがる、段を上がるといった日常の行動を大いに助けてくれるものです。手すり一本がどれだけその行動を楽にするか、使用状況を観察していますと、よくわかります。しかし実際はこの名前が示す「手すり」という使い方より「手つかみ」とか「于支え」といった使い方のほうがずっと多いのです(図1-14)。つたい歩きや立ち上がり時にはこれにつかまり力まかせにするのを見てもそことこは分かると思います。高齢者マンションには必要なところには必ず手すりが設けられています。

人間は二本の足で立ち、歩行します。しかし先にのべましたように、体の働きが低下しますと、歩行のさい、片方の足を上げるとわずかな時間でもバランスをくずしやすいので、上げた足の代わりの支えの役目を手で行います。さらに足が弱ってくるとか、腰がまがってくると前かがみの姿勢となり、体の重心が前寄りになります。場合によっては重心が体外に出てしまいますので前にのめり、手をのばして手すりをつかんで、体を引きよせるような使い方になります。つまり腕と二本の足が三脚となって安定性を保ちます。

手すりにかぎらず、お年寄りのいる家で、ある時期からテーブルやげた箱の角やソファーの背の一定個所が黒ずんできたら、そこが移動経路の大事な手の中継点です。階段の手すりは上りはしっかりつかんで体を引きあげ、下りは万一足をすべらせた場合、とっさにつかみますので、握りやすくすべらないものであることが重要です。このようなデーターの積み上げが今日の高齢者マンションの仕様に役立っているといえるでしょう。

高齢者マンションの浴室やトイレなどで、しゃがんだり立ちあがったりする行為は、自分の体をかがめたり引きあげたりするため、しっかり握りしめる棒としての手すりが必要になってきます。このように、握るという行為に対しての「手すり」は、その名から想像するようなすべりやすいものより、逆にすべりにくく握りやすい形状や材質が必要になってきます。手ざわりが冷たくないこともたいせつです。居室には木製、浴室などの水まわりには樹脂被膜あるいは厚ぬり塗装品がよいでしょう。高齢者マンションは沢山ありなすが、いずれもこのような高齢者の目線で使い勝手の良い安全なものを使用しています。また高齢者マンションでは仕様の規格を建設の基準の中にもりこまれている場合もあり、高齢者を法律でも守っていく社会の仕組みを目指しているようです。

階段/サービス付き高齢者向け住宅の場合

都市住宅では二階に個室がある場合が多く、一日になん回も階段を使用しますが、床面積の都合上、幅や勾配にしわ寄せがきている住宅もけっして少なくありません。一般にお年寄りは一階を中心にと考えがちですが、自分の住まいのなかでは、できるだけどこへでも行動できることが大事です。また少々体が弱くなり外出が少なくなった人にとって家のなかでの移動はリビリ代わりにもなります。サービス付き高齢者向け住宅ではこのような配慮は必要なく一部屋に一人で入居されるので、バリアフリーの中暮らしていけます。サービス付き高齢者向け住宅では介護する場でもあるので、このような配慮も大事です。

サービス付き高齢者向け住宅ではない普通の家庭では、二階のほうが静かで落ちついた部屋になるでしょう。そのためにも使いやすい階段は重要です。

巾階段の形状

サービス付き高齢者向け住宅では見られない直階段以外では体のむきを変えながら上り下りすることになります。「踊り場」は階段途中で体のむきを変えるところです。ここをフラットにするのが望ましいのですが、スペースの制限上、踊り場を設けずに、段をつけ、まわりながら上り下りする階段が多いようです。この場合でも三段まがりはさけて二段まがりとします。

このような階段は体が動きにくくなりつつある高齢者などには使いづらい場合が多いでしょう。また、踏みはずした場合に被害が大きくなりますので、まがり部は階段上部にはもってこないようにします(次ページ図1j8)。四段まがり階段の割りつけの適正形状について階段昇降実験を行って調べましたので、紹介します。

実験に協力してくださった被験者は健常な高齢者、男性五名(平均年齢七一・四歳)、女性五名(平均年齢七一二(歳)でした。次ページ図1-9のような六タイプのまがり段部の形状が異なる階段の昇降を行い、官能評価で判定を行いました。その結果②のタイプが歩きやすいという評価になりました(次ページ図10)。

これを踏まえてさらに、①の均等割(四五度、四五度)と、官能評価で一位の②の変則割(六〇度、三〇度)の二例の階段の歩行動作のちかいを詳細に分析しました。サービス付き高齢者向け住宅へ一度見学にいらしてください。普通の家庭生活との違いが理解いただけると思います。

高齢者にとっての段差

生活行動の基本は移動行為。そのなかでも水平移動がその大部分を占めます。足腰が弱くなった場合はすり足になります。生協のサービス付き高齢者向け住宅では、段差のないバリアフリーのワンルームで高齢者がおひとりでもつまずくことのないよう配慮した設計を施しています。

また逆に足の裏に引っかからないもの、かたすぎないこと、そして床面にできるだけ段差をつくらないことがあげられます。特にこの段差は従来の日本家屋には非常に多く見られます。さすがに最近は土間台所は見受けられなくなりましたが、玄関の上がり框、敷居、浴室やトイレの下がり床、そのほか空間の変化を求めた落とし床、そして階段などがあります。サービス付き高齢者向け住宅では、硬すぎずそして柔らかすぎずといううのを今日までの経験を踏まえて住宅に生かしています。生協ならではの配慮が随所にされているサービス付き高齢者向け住宅おひさまでは、宿泊体験の上、入居いただけるようなシステムも考慮中です。

足腰が弱ってくると両足で立っていても足は少しまがり気味になり、さらに歩く場合は片足を上げますので、身体保持のバランスをくずすため「支え」が必要になります。したがって不必要な段差をなるべく排除することはたいせつです。段は後では簡単に取りのぞくことができません。

足腰が弱くなるばかりでなく足首がかたくなり、足を上げたつもりでもつま先は下を向いて下かっていることが多く、敷居ぽかりでなくちょつとしたカーペットの端のめくれや電気のコードにもつまずいたり、階段の段鼻(踏み面の端)につま先を引っかけたりして転倒の原因となります。このような体に合わせた住宅構造が必要なのは言うまでもありません。生協のサービス付き高齢者向け住宅おひさまでは、高齢者の体の弱さをカバーできる住居を目指してこれまでに分譲マンションや介護付きの住宅などを何棟も建設してきているのです。

 

高齢者住宅・施設は17種類

高齢者住宅・施設には17種類もの区分かあるが、大きく「施設系」と「住宅系」の2種類に分けられる。「施設系」とは、特別養護老人ホーム(特養)などに代表されるように、入居者の生活を保護しながら食事や介護などのケアサービスを提供する施設だ。「住宅系は、食事や外出など出来るだけ普段通りの生活を送りながら、必要なケアがうけられる。

 わが国では当回、竹劫などのか謾保険3施設を中心に’施設系-の整伽が進められ、111 1住宅系」の整伽は欧米の先進国に比べて迦れていた。2005年時点での介駿施設・μ齢片住宅の整備状況は、企高齢什に対する定以数の割合で4・4%となっており、その内訳は「施設系‘3・5%に対して「住宅系」はO・9%にとどまっている。「サービス付き高齢者向け住宅」は、今後の「住宅系」の中核に位置づけられる新制皮だ。従来の高齢者向け優良賃貸住宅制度(高優賃、1998年度~)、高齢者円滑入居竹貸住宅制度(高円賃、200t1年~)、高齢者専用賃貸住宅制度の3つが廃止され、新制皮に一本化。さらに基準を満たした有料老人ホームも登録が可能となった。

国土交通省では「サービス付き高齢者向け住宅」の整備を積極的に支援していく方針だ。なお、サービス付き高齢者向け住宅の略称は、国土交通告のホームページでは新制度の略称を「サ付住宅」と衣記して解此を虱めていく。

サービス付き高齢者向け住宅の登録

登録は都道府県知事・政令市長・中核市長宛てとなり、地方公共団体の居住安定確保計画に照らして計画数を超える場合には登録できないこともあります。地方公共団体の政策方針によっては、新たな総量規制となる可能性もあります。群馬県、大阪府、東京都、神奈川県、熊本県はすでに策定していますが、いまだ検討中の自治体が多く、富山県と政令市の京都市、大阪市、堺市では策定予定はありません。「サ付住宅」の内容詳細については、本誌からの「これが『サービス付き高齢者向け住宅』だ!」を参照してください。

本制度では、都道府県の指導監督権限も強化され、報告徴収、立ち入り検査、業務に関する是正指示、登録の取り消しと、有料老人ホーム並みに監督が厳しくなりました。

 食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する高齢者住宅は、所有権を除いてすべてが有料老人ホームの取り扱いとなりますが、サービス付き高齢者向け住宅の登録をしたものは、有料老人ホームの届出が不要となります。

 サービス付き高齢者向け住宅は、特養や老健、介護付有料老人ホーム、認知症高齢者向けのグループホームの供給が減る中にあって、必然的に代替施設の役割を果たすこととなるため、入居者の平均要介護度は2・5を下回ることはないでしょうから、介護サービスが必須となります。このように高齢者向け住宅は制度の変更で供給形態が変わり、サービス形態もまた時代によって変化してきました。これから先もまた変わり続けていくことでしょう。団塊の世代が高齢者住宅や施設の入居者となる25年までは、このような変革は続くものと思われます。