階段/サービス付き高齢者向け住宅の場合

都市住宅では二階に個室がある場合が多く、一日になん回も階段を使用しますが、床面積の都合上、幅や勾配にしわ寄せがきている住宅もけっして少なくありません。一般にお年寄りは一階を中心にと考えがちですが、自分の住まいのなかでは、できるだけどこへでも行動できることが大事です。また少々体が弱くなり外出が少なくなった人にとって家のなかでの移動はリビリ代わりにもなります。サービス付き高齢者向け住宅ではこのような配慮は必要なく一部屋に一人で入居されるので、バリアフリーの中暮らしていけます。サービス付き高齢者向け住宅では介護する場でもあるので、このような配慮も大事です。

サービス付き高齢者向け住宅ではない普通の家庭では、二階のほうが静かで落ちついた部屋になるでしょう。そのためにも使いやすい階段は重要です。

巾階段の形状

サービス付き高齢者向け住宅では見られない直階段以外では体のむきを変えながら上り下りすることになります。「踊り場」は階段途中で体のむきを変えるところです。ここをフラットにするのが望ましいのですが、スペースの制限上、踊り場を設けずに、段をつけ、まわりながら上り下りする階段が多いようです。この場合でも三段まがりはさけて二段まがりとします。

このような階段は体が動きにくくなりつつある高齢者などには使いづらい場合が多いでしょう。また、踏みはずした場合に被害が大きくなりますので、まがり部は階段上部にはもってこないようにします(次ページ図1j8)。四段まがり階段の割りつけの適正形状について階段昇降実験を行って調べましたので、紹介します。

実験に協力してくださった被験者は健常な高齢者、男性五名(平均年齢七一・四歳)、女性五名(平均年齢七一二(歳)でした。次ページ図1-9のような六タイプのまがり段部の形状が異なる階段の昇降を行い、官能評価で判定を行いました。その結果②のタイプが歩きやすいという評価になりました(次ページ図10)。

これを踏まえてさらに、①の均等割(四五度、四五度)と、官能評価で一位の②の変則割(六〇度、三〇度)の二例の階段の歩行動作のちかいを詳細に分析しました。サービス付き高齢者向け住宅へ一度見学にいらしてください。普通の家庭生活との違いが理解いただけると思います。

高齢者にとっての段差

生活行動の基本は移動行為。そのなかでも水平移動がその大部分を占めます。足腰が弱くなった場合はすり足になります。生協のサービス付き高齢者向け住宅では、段差のないバリアフリーのワンルームで高齢者がおひとりでもつまずくことのないよう配慮した設計を施しています。

また逆に足の裏に引っかからないもの、かたすぎないこと、そして床面にできるだけ段差をつくらないことがあげられます。特にこの段差は従来の日本家屋には非常に多く見られます。さすがに最近は土間台所は見受けられなくなりましたが、玄関の上がり框、敷居、浴室やトイレの下がり床、そのほか空間の変化を求めた落とし床、そして階段などがあります。サービス付き高齢者向け住宅では、硬すぎずそして柔らかすぎずといううのを今日までの経験を踏まえて住宅に生かしています。生協ならではの配慮が随所にされているサービス付き高齢者向け住宅おひさまでは、宿泊体験の上、入居いただけるようなシステムも考慮中です。

足腰が弱ってくると両足で立っていても足は少しまがり気味になり、さらに歩く場合は片足を上げますので、身体保持のバランスをくずすため「支え」が必要になります。したがって不必要な段差をなるべく排除することはたいせつです。段は後では簡単に取りのぞくことができません。

足腰が弱くなるばかりでなく足首がかたくなり、足を上げたつもりでもつま先は下を向いて下かっていることが多く、敷居ぽかりでなくちょつとしたカーペットの端のめくれや電気のコードにもつまずいたり、階段の段鼻(踏み面の端)につま先を引っかけたりして転倒の原因となります。このような体に合わせた住宅構造が必要なのは言うまでもありません。生協のサービス付き高齢者向け住宅おひさまでは、高齢者の体の弱さをカバーできる住居を目指してこれまでに分譲マンションや介護付きの住宅などを何棟も建設してきているのです。

 

高齢者住宅・施設は17種類

高齢者住宅・施設には17種類もの区分かあるが、大きく「施設系」と「住宅系」の2種類に分けられる。「施設系」とは、特別養護老人ホーム(特養)などに代表されるように、入居者の生活を保護しながら食事や介護などのケアサービスを提供する施設だ。「住宅系は、食事や外出など出来るだけ普段通りの生活を送りながら、必要なケアがうけられる。

 わが国では当回、竹劫などのか謾保険3施設を中心に’施設系-の整伽が進められ、111 1住宅系」の整伽は欧米の先進国に比べて迦れていた。2005年時点での介駿施設・μ齢片住宅の整備状況は、企高齢什に対する定以数の割合で4・4%となっており、その内訳は「施設系‘3・5%に対して「住宅系」はO・9%にとどまっている。「サービス付き高齢者向け住宅」は、今後の「住宅系」の中核に位置づけられる新制皮だ。従来の高齢者向け優良賃貸住宅制度(高優賃、1998年度~)、高齢者円滑入居竹貸住宅制度(高円賃、200t1年~)、高齢者専用賃貸住宅制度の3つが廃止され、新制皮に一本化。さらに基準を満たした有料老人ホームも登録が可能となった。

国土交通省では「サービス付き高齢者向け住宅」の整備を積極的に支援していく方針だ。なお、サービス付き高齢者向け住宅の略称は、国土交通告のホームページでは新制度の略称を「サ付住宅」と衣記して解此を虱めていく。

サービス付き高齢者向け住宅の登録

登録は都道府県知事・政令市長・中核市長宛てとなり、地方公共団体の居住安定確保計画に照らして計画数を超える場合には登録できないこともあります。地方公共団体の政策方針によっては、新たな総量規制となる可能性もあります。群馬県、大阪府、東京都、神奈川県、熊本県はすでに策定していますが、いまだ検討中の自治体が多く、富山県と政令市の京都市、大阪市、堺市では策定予定はありません。「サ付住宅」の内容詳細については、本誌からの「これが『サービス付き高齢者向け住宅』だ!」を参照してください。

本制度では、都道府県の指導監督権限も強化され、報告徴収、立ち入り検査、業務に関する是正指示、登録の取り消しと、有料老人ホーム並みに監督が厳しくなりました。

 食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する高齢者住宅は、所有権を除いてすべてが有料老人ホームの取り扱いとなりますが、サービス付き高齢者向け住宅の登録をしたものは、有料老人ホームの届出が不要となります。

 サービス付き高齢者向け住宅は、特養や老健、介護付有料老人ホーム、認知症高齢者向けのグループホームの供給が減る中にあって、必然的に代替施設の役割を果たすこととなるため、入居者の平均要介護度は2・5を下回ることはないでしょうから、介護サービスが必須となります。このように高齢者向け住宅は制度の変更で供給形態が変わり、サービス形態もまた時代によって変化してきました。これから先もまた変わり続けていくことでしょう。団塊の世代が高齢者住宅や施設の入居者となる25年までは、このような変革は続くものと思われます。

高齢者住まい法|「サービス付き高齢者向け住宅」 (サ付住宅)に一本化

国土交通省が管轄する高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)と高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、および高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)を廃止して、厚生労働省との共同所管による「サービス付き高齢者向け住宅」 (サ付住宅)に一本化する改正高齢者住まい法が、2011年10月20日に施行されました。高専賃の登録制度をペースにして、高優賃のバリアフリー基準と整備費補助制度、シルバー(ウジングの安否確認を混合した改正内容となっています。なお、登録対象には賃貸住宅以外に利用権方式の有料老人ホームも含まれます。

サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進

サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進すること等により、2020年を目途に、高齢者人口に対する高齢者向けの住まいの割合を欧米並みの3~5%にするという目標を定めています。(住生活基本計画[平成23年3月閣議決定])。この目標を達成するためには、平均で年間6万戸程度の供給が必要となってきますので、新規建設による供給だけではなく、既存ストックの改修による供給も重要です。これまでも統廃合により廃校となった学校を改修して高齢者向け優良賃貸住宅や保育園等を整備した事例かおり、空き家つ有効活用など、居住者のニトスドでした様々な事例が出ると期待しています。

 改正「高齢者住まい法匸弋20↑工年10月20日に施行され、サービス付き高齢者向け住宅の登録が開始されました。補助制度を始めとする支援制度を柱として民間の方々の自主的な供給やさまざまな創意工夫にも大いに期待しながら、サービス付き高齢者向け住宅の供給を進め、高齢者の居住の安定を図っていきたいと考えています。

高齢者住宅入居一時金について

居住の安定確保の観点から、様々なな課題が指摘されていたところです。このため、今般、国土交通省と厚生労働省が連携して「高齢者住まい法」を改正し、従来の高円賃、高専賃、高優賃制度を廃止して一本化するとともに、一定の有料老人ホームについても登録を可能とした「サー・ビス付き高齢者向け住宅」の登録制度を創設することとしました。サービス付き高齢者住宅として都道府県知事の登録を受けるためには、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮ら卞ことができる住まいとなるよう、

1.バリアフリー化、

2.状況把握(安否確認) ・生活相談サービスが提供されること、

3.入居契約上の高齢者保護が図られていること、

という基準を満たす必要があります。また、都道府県や登録を受けた事業者

が登録された住宅の情報を開示することにより、入居を希望する高齢者の方々が提供されるサービス内容等に応じた住宅を選択できるようにしています。

なお、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の推進に当たっては、予算・税制・融資を通じた支援を行っていきます。平成23年度予算においては、登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅の建設・改修費に対して、国が民間事業者に直接補助を行うこととしており、2011年5月30日の募集開始当初から、応募件数は順調に推移しているところです。また、住宅と一体的に整備される高齢者の生活支援施設も、居住者をけじめとして地域の方々に安心して暮らしていける居住環境を整備するためには非常に重要ですので、サービス付き高齢者向け住宅の整備と一体として診療所、訪問介護ステーション等の整備を行う場合も補助の対象としています。税制では、所得税・法人税に係る割増償却、固定資産税の減額、不動産取得税の軽減措置があり、融資関係では、住宅金融支援機構による賃貸住宅融資の実施と要件緩和等があります。